※時間軸は本編第一章終了〜第二章開始まで
※アルギズ視点の一人称で進みます。


<研究所騒動>  後編 「崩壊・コール研究所」


「HUHAHAHAHA!俺は天才科学者コールだ!」

スピーカーから大音量で聞こえてくるのはコールの笑い声。
続いて女性にしては低いが男らしい声が聞こえてきた。

「そして私が助手の鹿馬 花子だ!!!」

・・・出たな、男女。
脳裏に身長190の女性が出てきた。
それは銃をいきなり発砲している姿でもある。
そういえばあの戦闘以来だったな。

まあ、つまりコールがいつぞやの日か宣言していた通りに、コトが進んだわけだ。
研究所が家の中に引っ越してくるとは・・・
大音量の音にさずがのビックリマンも起きて目を白黒させていた。
ひとしきりびっくりした後、俺に抱きついてくる。
まあ、混乱するのも無理はない。
俺はある程度コールの奇行は知っているから冷静でいられるが、
一般人が最初から冷静になれとは無理な話だ。

「アル・・・ギズ?」

「なんだ?」

「なあに?これ?」

「さあ?コールに聞け・・・って」

俺は話していた主を見つけて驚いた。
それは俺に抱きついたままじっと見上げてくる
ビックリマンの口から出たことばだった。
話せないとばかり思っていた子どもがいきなり話し出したら驚くに決まっている。
ある意味コールの奇行より驚いた。

「アルギズ?」

「ああ。そうだ。俺はアルギズ。お前は?」

「??」

「名前」

「呼ぶ名前?」

「ああ。」

「フェンリル」

真っ直ぐな目でそう言われ、俺は少し考えた。
変わった名前だ。
そういえばフェンリルは北欧神話に出てきた狼の名前だ。
・・・・・・。

「エフだ。頭文字を取った名前だ。」

「???」

「呼ぶときの名前。お前は『エフ』だ。だめか?」

フェンリルはきょとんとした。
さすがに自分のネーミングセンスを過信してはいない。
だが、フェンリルと呼ぶには少々この子にしては重々しすぎる気がした。
ただ、それだけだ。

それから、フェンリルはぱあっと笑顔を浮かべた。

「エフ!エフ!」

俺はとても嬉しそうな顔を見て微笑んだ。
『きょとんとする』『微笑む』というフェンリル――
エフの表情しか知らなかった俺は、少なからず驚いた。
こんな満面の笑みってできたんだな・・・。
そして満面の笑みのまま飛びつかれ、少しよろけてしまった。

今までのよりもなんというか・・・『感情』がある表現のような気がした。


「アルギズウウウウゥゥウウウウウゥウ!!」

なんだ感動の瞬間に・・・
俺は白けた目でスピーカーの方を向いた。
コールが焦った声で言った。

「今何時だと思っているんだ!!??」
「・・・6時半」
「ニュースの時間だろおがああああぁぁぁぁ!!!???」

―キーン

スピーカーから耳をつんざくような嫌な音が聞こえる。

「どうでもいいだろうが」
「そうはいくか!!??今からそっちにいくぞ!HUHAHAHAHA!」
しばらくだっだっだという走る音が聞こえた。
もしかしてこのスピーカー、コールの持ってるマイクから聞こえてるのか?
「おいコール!!やべぇぞ!階段がねえっ!」
と、コレは花子の声だ。
「む!?そういえばふさいだ気がしたな!」
「何してんだよ!おりられねぇだろ!」


・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・付き合いきれん。


俺は無言でスピーカーのスイッチを探し、切った。
「アルギズ!アルギズ!」
エフがなにやら抱えてきた。
どうやら大きな猫人形らしい。
そういえばコールが買ってあげていた気がする。
「プレゼント!!」
いや、それはお前が持っていたら似合うが・・・
「プレゼント!!アルギズ!」
・・・・・・・・ありがとう。
俺はしぶしぶ受け取ると、とりあえずモニターの前に立てかけた。

さて、と一息つく。

モニターを眺めてパネルのようなところに視線を向ける。
キーボードを叩いてみた。
反応はあるようだ。


・・・・なるほど。


俺はコンピュータの主要部分であるプログラムを起動した。
「アルギズ?」
「エフ。今日の朝飯何がいい?」
キーボードを叩く手は止めない。
「黄色いの!」
「黄色?」
「ふわふわ!」
「・・・ああ。だし巻き玉子か」
「うん!」
「わかった」

―強制退去プログラム起動

「HUHAHAHA!アルギズ!ようやく到た・・・ぶはっ!!」

コールは部屋に到達するなり、妙なアームに掴まれた。
それからの作業はプログラムどおり迅速だった。
天井の一部が開き、コールを掴んだアームは勢いをつけて―

コールを天空の彼方に放り上げた。

「HUHAHAHAHAHAH A   H     A ・ ・  ・・・」


キラーンと光をのこして消えたコールを見て、
部屋に入る前に固まっていた花子をじと目で見る。


「で、どうやったらこの部屋もどせるんだ?」









数時間後、俺の家は元通りだった。
花子は家に帰し、コールはきっちり半分だけ殺しておいた。
これならすぐに復活するだろう。
ちなみにこのことがあったせいでコールは会社の部下に
『残虐非道な親友がいる』
と言ったらしい。
それで興味、または敵意をもたれたらしく、
俺は会社に訪問することになってしまうのだが・・・・・・

まあ、それは別の話だ。




終わり








あとがき

すいませぬ。微妙にぐだぐだですね^^;
精進します。
ちなみにこれは以前オフ友に
メールで配信していた小説の改良版です。
良くなっているかは別問題ですがね!(何
本編があまりにも暗い方向に行っているので短編ははじけます。
ちなみに会社見学編はコールの部下オンパレードですb
コールの部下なので普通ではありませんよ。HUHAHAHAHA!
ではでは





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