<第六章 それぞれの話>
プロローグ
アルギズが立ち上がった。
父親の銃で胸を撃たれたのに無傷だった。
しかし、それはもう『アルギズ』ではなかった。
アルギズと同じ髪色、そしてどことなく雰囲気は似ている。
しかし、目は鋭く黄色の瞳であるし、体格も身長もがっしりしている。
すでに体はどう考えてもアルギズではなかった。
「ったく・・・15年もかかっちまったぜ」
アルギズとは違う低い声、そしてこちらを見て歯をむき出して笑う。
「なんだぁ?その間抜け面?きちんと説明してやろうかぁ?」
そしてコールに事実を突きつける。
「初めまして。ライにヴェルコール。後、魔夢。俺様は双影 秋だ。」
それは、アルギズに定着していた存在。
魂のみの存在。
存在していいはずがないモノ。
「わからねぇか?簡単に言うと。」
秋は混乱する三人をあざ笑う。
そして一言だけ告げた。
「アルギズを消したのは俺様だ。」
つづく
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