<第五章 一縷の希望>


エピローグ



―夢を見ていた気がした。俺様の知らない暖かな夢。




「消えない、よね?」

心配そうな少女が、少年に話しかける。
少年は複雑そうな顔をして黙り込んだ。

「・・・・・・。」

「アルギズ!アルギズ!てーあん!」

小さな子供がぴょこぴょことかわいらしい動きをして主張した。

「約束!エフもアルギズと約束したの!だから約束なの!」

子供は誇らしそうな表情で言う。

「約束・・・?」

少女はのきょとんとした表情になる。
そして少年は、意を決したように頷いた。

「じゃあ、カノン。約束だ。」

そして小指を差し出し、不敵に笑う。

「半年後の今日・・・10月24日―俺の誕生日だ。俺の家でパーティーしてくれないか?」

「うん」

少女は目に残っていた涙をぬぐい、最高の笑顔で少年の小指と自分の小指を重ねた。





―――――・・・・・・。











アルギズ・F・ソウェル

15歳

国王である父を告発し、暴君から民衆を救うが、
父の凶弾に倒れて死亡。















<第五章 一縷の希望> 完
<第六章 それぞれの話> へ続く

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