<第四章 出逢う真実>


エピローグ


―運が悪いわね

緑の少女はふぅと溜息をついた。

「白といい・・・あなたといい、何のようですか。」

澄んだ声が屋内に響き渡った。
そこは石を彫ってできた人が一人住める程度の大きさの部屋。

紅の髪を腰の辺りまで伸ばした美しい女性が言う。

「まあ、いいじゃないかしら?『直接』人を殺すわけではあるまいし」

くすくすと何かを思い出すように笑う。
『間接的』に人を殺す・・・
つまりは、『結果的』に人を殺してしまうと宣言しているようなものだった。

「何度も言うようですが、この世界は私の『管轄』のはずですが?」

「知ってるわ。ただ、私たちはあなたのように『あの方』にまかせっきりではないだけよ。」

遠まわしに嫌味をいい、緑は目を細めた。
その目は、遠くにある獲物を狙う目だった。


「『あの方』は見守るように私に命じました。あとはこの世界次第です。」

赤と呼ばれた女性は、どこまでも落ち着いていた。

「青や白にも伝えてください。この世界に余計なことはしないよう。」


くるりと赤は踵を返した。
その瞬間にふっと跡形もなく空気に溶けて消える。
残された『緑』はしばらく笑っていたが、ふっと笑みを消す。

「・・・ああいうタイプって大嫌い。」
そしておもしろそうに呟いた。
「次は青に頑張ってもらわなくちゃね。さて・・・」
そこからの緑の呟きは消えていった。















<第四章 出逢う真実> 完
<第五章 一縷の希望>へ続く






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